尼崎市の猫たちに会ってきました。（後編）

　迂闊に近づくと緊張するのですが、




　こちらさんに緊張感はないようです。




　緊張感。




　緊張してる猫がおったら勇気づけたらなあかん。




　ぼくはおっちゃんと逆に正義の味方なんや。




　おっさんの相手したりたいけど、




　今はあかん。




　もうすぐごはんのひと来てくれるんや。




　ぼくの順番まではもうちょっと時間あるから、




　爪とぎくらいは見せたげよ。




　ぼくはそんなサービスする気なし。




　こちらの要求は同じでも猫の反応はさまざま。




　山のうしろを隠れて走るのもいれば、




　山の上で昼寝をするのもいます。




　どちらも同じ山ですのに。




　いつもサービス精神旺盛な三毛さんに知らんぷりされたり、




　はじめて会うキジさんがわたくしに気づかなかったり。




　天下泰平でございます。




　さて、このあたりで白黒さんなら、




　たいていこの白黒おかあさんの子供だと思います。




　屋根の上をうしろから撮影するのも用心されますが、




　猫の事情に詳しいのも警戒心を惹起します。




　詳しいふりしてええ加減なこと言うてるだけやろ。




　事情聴取をおそれる兄弟の視線の先には、




　今年生まれた幼い弟の姿が。




　猫撮り？




　面白そうなおっちゃんやんか。




　別に猫取りとは違うんやろ。




　おっ、大物ですね。将来有望ですわ。尼崎市の猫たち、また会いましょう。